1951年、当時の専務が米国の業界誌に書かれた「クリームの粉末化」に関する論文に着目し、米国視察中だった社員に調査を命じます。しかし、製造法が実用化されていないとわかり、手探りでの研究開発が始まりました。「粉末化しても生クリームの風味を引き出す」作業は困難を極めますが、1953年、日本初のクリーミングパウダー「クリープ」が完成。しかし当時はコーヒーを家庭で楽しむ習慣がなく、発売は見送りに。1960年、コーヒー豆の輸入が自由化になり、森永製菓が日本初のインスタントコーヒーを発売。コーヒーブームが到来し、翌年の1961年いよいよ「クリープ」が発売となりました。インスタントコーヒーの流通量が増加し「クリープ」の販売数が100倍になると、拡大する需要に応えるため1966年にMDドライヤー(噴霧乾燥装置)を開発し、増産を開始。新設備では、原料を瞬間的に霧状にして乾燥させ、すぐ冷やすことで乳本来の風味がより生きるようになりました。ミルクから生まれた成分を原料にしたクリーミングパウダーである「クリープ」は、長く愛される商品となり、時代や環境の変化に対応しつつおいしさが変わらないように品質の向上を重ねてきました。「夏と冬の季節の違いなどでも、乳原料の風味は異なります。違う状況の原料を使っても、同じおいしさをキープできるように調整しています」とフードソリューション研究所の福島研究員。また「クリープ」は2013年からpH調整剤※2を不使用とし、〝ミルク生まれ〟の純度を高めています。く!日本初のクリーミングパウダー誕生品質を高め、おいしさを守るパッケージの変遷時代を生き抜新森永乳業の年力6※1 当社クリープ比 ※2 食品を適切なpH(ペーハー:酸性やアルカリ性)に保つ添加物。pHが低いコーヒーにクリーミングパウダーを入れるとたんぱく質が固まる性質があるためpHを調整して固まるのを防ぐことが一般的だが、クリープは製法をブラッシュアップさせることでpH調整剤の不使用を可能とした。通信販売での取り扱いはございません。お買い求めは、お近くのスーパーやコンビニエンスストアで。265g・内容量85g/265g スプーン1杯3gあたり15kcal・保存方法は常温・発売から60周年を迎えたロングセラー商品・脂肪分½※1の「クリープライト」を2007年に発売85g創業より100有余年。森永乳業では常に生活者に寄り添う商品開発が、新時代をすこやかに生き抜く助けになればと考えてきました。ここでは、商品の誕生秘話や開発者の思いなどをご紹介します。フードソリューション研究所福島研究員風味を守りつつ改良しています。そのまま食べてもおいしく料理にも万能ですおいしい名脇役編200019631961ミルク生まれのクリープは、コーヒーからお料理までおいしさ引き出す名脇役愛されて60年クリープ19841973
元のページ ../index.html#6