さんさん プラス 11月号
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AAAAAA5columN入社後北海道のチーズ工場で3年半、チーズの製造に関わり、その後、アメリカ、ウィスコンシン州にチーズの研究のため留学。帰国後もチーズの研究に携わり、チーズプロフェッショナルの資格を取得。プライベートでも米麹から熟成チーズを作るなど、公私ともにチーズの魅力にはまっています。ウォッシュタイプやシェーブルタイプのチーズが大好き。毎朝、MEC食(肉(Meat)、卵(Eggs)、チーズ(Cheese)の3つの食品を中心に食べる食事法)を実践中。たんぱく質をしっかり摂って毎日元気です。森永乳業株式会社食品開発研究所C.P.A.認定チーズプロフェッショナル白庄司宣明温めるととろ~りと伸びるモッツァレラチーズ。どこまで伸びるか実験したら、キリンの身長よりも高く、6mも伸びました!チーズにはまって20年以上。チーズ研究は面白い!キリン 5mチーズの楽しみは尽きません!モッツアレラ 6mバスケットゴール3.5m「おいしさのヒミツは?」チーズは、生乳(牛乳、ヤギ乳など)から水分を除いて作られているので栄養成分がぎゅっと詰まっています。主な栄養素は、たんぱく質、脂肪、カルシウム、ビタミン群。たんぱく質は熟成中に乳酸菌などの働きによって分解されてうまみ成分であるアミノ酸になり、消化吸収されやすくなっています。カルシウムの量は牛乳の約6倍もあり、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンA、レバーやうなぎなどに多く含まれるビタミンB2が多いのも特長です。「脂質が多いからあまり食べないほうが良い?」チーズには脂肪が多くて体に良くないと思われている方もいると思いますが、むしろ体脂肪が蓄積しにくくなるという報告もあります。チーズに含まれる脂肪は微細な脂肪球で、中鎖脂肪酸も含まれているので、他の動物性の脂肪よりも消化吸収されやすく、速やかにエネルギー源に変わるのが大きな魅力なのです。また、一説には、チーズに含まれるカルシウムやある種のたんぱく質分解物が体脂肪の蓄積を抑えたり、ビタミンB2が体脂肪の燃焼を促すことで肥満を抑えられるといわれています。チーズと肥満抑制の関係については完全に解明されておらず、今も研究が続いています。「チーズの魅力は?」乳ひとつから、いろいろな製造方法や熟成方法によっていくつものチーズが生まれます。国内でもチーズ生産が盛んになってきて、独自性のあるチーズがたくさん作られています。まだまだチーズの研究は進行中なので、可能性は無限大です。チーズはそのまま食べてもおいしいけれど、料理に合わせるとさらなる変化をもたらします。形も味もさまざまなものに変わっていくから面白いんです。「保存方法は?」粉チーズを除く一般的なチーズは、5℃前後で冷蔵保存するのが理想です。水分はカビの原因になるので、水濡れに気をつけましょう。残ったチーズを冷蔵庫に戻す場合は、表面についた水気をふきとってからラップをしましょう。ナチュラルチーズは保存中にも熟成が進むため、呼吸できるように専用シートかオーブン用シートに包んでから、保存容器やファスナー付きの保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。(参考:日本乳業協会ホームページ)モッツアレラチーズはどこまで伸びる?「プロセスチーズはナチュラルチーズとどう違うの?」ナチュラルチーズは、生乳を原料としたもので、熟成していくのが特長です。プロセスチーズは、数種類のナチュラルチーズを原料にして作られたもので(P.4参照)、賞味期限が長く、風味も変わらないのが特長です。「プロセスチーズのはじまりは?」諸説ありますが、スイス軍が戦時中に携帯できる保存食として開発されたのが始まりとも、エメンタルチーズやグリュイエールを温めて溶かしてワインを入れて作るチーズフォンデュがきっかけになったという説もあります。旅の途中に偶然発見!?古いアラビア民話で伝わるお話です。アラビアの商人が、羊の胃袋で作った水筒に生乳を入れ、ラクダの背にくくりつけて旅に出ました。暑い砂漠を歩き続けた後にのどを潤そうと水筒を傾けたら、生乳はなく、わずかな液体と白い塊が出てきたのだそうです。それをおそるおそる食べてみるとたいそうおいしかったのだとか。これがチーズの始まりともいわれています。羊の胃袋に含まれる酵素の働きによって、ラクダの背で揺られている間に生乳が固まり、チーズになったのですね。(出典:一般社団法人日本乳業協会)チーズ初めて物語チーズのこと、もっと知りたい!

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