さんさん プラス 7月号
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教えてくれる先生 : 大腸先生(森永乳業 ヘルスケアスペシャリスト※2)聞き手:イトー君(そろそろ大腸が気になる年頃。健康長寿を願って大腸のことを勉強中)大腸先生に聞く小腸の仕事は、胃の生きていくうえで大切それに対して大腸は、なが~い友だち3はイトー 「腸」には大腸と小腸がありますね。食べたものが胃から小腸に行き、最後に大腸に運ばれることは知っていますが、小腸と大腸のはたらきはどのように違うのですか?大腸先生 中で分解された食べものをさらに分解し、アミノ酸などの「栄養素を吸収する」ことです。イトー な仕事をしているんですね。大腸先生 消化した食べものの残りかすから水分を吸収し、「便をつくって排泄する」ことが仕事です。できた便は大腸のS状結腸という部位にためられ、これが最後の直腸という部位に送られると便意を感じ、トイレに行きたくなります。イトー 便をつくることかぁ。栄養を吸収する小腸に比べると、あまり大した仕事ではないような気もしますが……。大腸先生 すよ。便をつくり、排泄することは、生きていくうえで欠かせない仕事です。便の排泄は体内に入った有害な物質を外に出すことも伴いますので、便が腸に長く留まることは、体によくありません。健康を維持するうえで規則正しいお通じはとても大切です。アメリカのミネソタ州に住む約4000人を15年間追跡した調査から、便通が滞りやすい人は生存率が低い、つまり寿命が短くなることが確認されています※1。イトー ええっ、それは大変!大腸先生 そんなことはないで大腸は消化管の一番奥にあって、老廃物や毒素が集まりやすい場所です。悪玉菌が増えて腸内細菌のバランスが崩れると、大腸本来の機能が衰えてしまうんです。そのため小腸と違って、大腸は病気になりやすい臓器なんです。イトー 大腸を守るにはどうすればいいですか?大腸先生 お通じが滞ることなく、バナナ状の健康的な便が出るようにすることです。そのためにはビフィズス菌などの善玉菌を増やさなければいけません。善玉菌が増えると悪玉菌が減るので有害物質も少なくなり、ますます腸内環境が良くなっていきます。ビフィズス菌を摂取したり、ビフィズス菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂ることがポイントです。イトー 大腸の環境を良くするようにがんばります!小腸と大腸では役割が違う小腸より大腸のほうが病気になりやすいの?病気になりやすい大腸大腸先生イトー腸には小腸と大腸があります。それぞれのはたらきはどのように違うのかご存じでしょうか。なぜ小腸ではなく大腸の環境を良好に保つことが大切なのかをご紹介します。※1 出典:Am J Gastroenterol. 2010;105(4):822-32※2 ヘルスケアスペシャリスト:健康や栄養のことをわかりやすく伝える活動をしている森永乳業ベテラン研究員のの学校学校腸腸はたらくはたらく

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